建設機械は一台だけでも高額になることが多く、購入費用の工面に苦慮している企業も少なくありません。
この記事では、2024年最新の建設機械の購入に使える助成金をご紹介します。さらに、助成金を活用するメリットや申請のステップ、審査通過のポイントについても解説していますので、助成金を利用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
補助金と助成金の違いは?

補助金は、経済産業省や都道府県などの自治体が提供する資金援助制度です。政策目標に沿った取り組みを行う事業者を支援するためのもので、申請時に事業計画書を提出し、審査を通過する必要があります。
補助金には補助上限額や補助率が設定されており、満額支給されることは少ないのが一般的です。
一方、助成金は条件を満たせば支給される資金を指し、雇用保険料を財源としています。補助金は税金が財源で、申請後の審査を通過した事業者に支給されます。補助金の審査は厳しく、助成金よりも支給額が高い傾向がある点が特徴です。また、補助金の審査に通ることは自社の価値を高めるステータスとなります。
建設機械購入に活用できる補助金や助成金

建設機械購入に活用できる補助金や助成金には、以下の3つが挙げられます。
- ものづくり補助金
- 事業再生補助金
- 高度安全機械等導入支援補助金
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.ものづくり補助金
ものづくり補助金は、設備投資や機械購入のための補助金です。主に製造業の生産性向上を目的としています。製造業以外の事業者も利用可能で、サービス業や小売業、IT企業などでも採択実績があります。
補助率は1/2〜2/3で、補助金の上限額は事業内容や従業員規模によりますが、通常枠では1,000万円前後です。
2.事業再生補助金
事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響で困難を抱えている中小企業や個人事業主を支援するために設けられました。建設費や設備投資、機械購入なども対象となります。
ものづくり補助金よりも補助金額の規模が大きい申請枠が多いですが、その分、事業計画書に高い精度が求められます。
3.高度安全機械等導入支援補助金
高度な安全性能を持つ特定の安全装置を購入する中小企業事業者に対し、車両系建設機械に取り付けるための補助金が交付されます。補助金申請可能額は令和6年5月1日現在で約1億8千万円です。
補助対象の安全装置1機当たり、金額の1/2が補助されます。申請する建設機械の種類によって、上限額が異なります。たとえば、積載形トラッククレーンの場合、安全装置1機当たりの補助額の上限は100万円です。
申請および補助金を受ける際の条件は次の通りです。補助金申請後に建災防から『交付決定通知書』を受け取ったあとに、補助対象の安全装置を装備した建設機械の購入または安全装置の取り付けを行う場合のみが対象となります。交付決定通知書を受領前に購入された場合は補助金を受けられないため注意が必要です。
提出書類には、見積書、請求書、納品書が含まれ、これらには補助対象の安全装置の名称と金額の記載が必要です。割賦契約の場合、交付決定通知書受領後、期限内に提出する「補助金請求書類」には、「安全装置」を含む「建機全体」の金額が支払い済みであり、所有権が申請者に移転していることを確認できる証明書類が必要になります。不明点があれば、建災防補助金センターに問い合わせることをおすすめします(TEL: 03-6275-1085)。
対象の申請者は、建設業許可を持つ以下の企業が対象です。なお、「資本金の額または出資の総額」と「常に使用している企業全体の従業員数」のどちらか一方が満たされていれば問題ありません。
|
業種 |
資本金の額または出資の総額 |
常に使用している企業全体の従業員数 |
|
1.建設業、その他業種(2〜4の業種を除く) |
3億円以下 |
300人以下 |
|
2.卸売業 |
1億円以下 |
100人以下 |
|
3.サービス業 |
5,000万円以下 |
100人以下 |
|
4.小売業 |
5,000万円以下 |
50人以下 |
補助金を活用する3つのメリット

補助金を活用するメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 経営状況の見直しにつながる
- 信用力の向上が見込める
- 返済不要な資金を得られる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.経営状況の見直しにつながる
補助金申請を行うことで、自社の投資や経営状況を再評価するきっかけになります。補助金の申請には、事業計画書の提出が必要です。
計画書作成の過程で、自社の強みや弱み、周囲の経営環境、今後の市場の見通しを詳細に分析する必要があります。この工程により、自社の課題を明確に認識し、戦略的な改善が可能となるでしょう。
2.信用力の向上が見込める
補助金を活用することで、企業の信用力を向上させることが可能です。補助金は厳しい審査を通過した企業にのみ交付されます。優れた技術や安定した財務状況、高い社会貢献度を持つ企業が選ばれるため、補助金の獲得は企業の信頼性を高める証となるのです。
自治体の審査を通過することで、企業の信用度は向上し、取引先や金融機関からの評価も高まります。
3.返済不要な資金を得られる
補助金の最大のメリットは、返済不要な資金を得られることです。補助金は融資とは異なり、返済義務がなく、利息の支払いも不要です。そのため、長期的な資金負担がなく、経済的な負担を軽減できます。
補助金で購入・導入した建設機械は、そのまま所有し続けることができるため、リースよりも経済的です。ただし、補助金の交付には十分な成果を求められるため、事前に計画を立てておくことが重要です。
補助金の3つのデメリット

補助金のデメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 制約がある
- 採択されないおそれがある
- 申請に手間がかかる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.制約がある
補助金に通過した場合、一定の制約が課されることもデメリットです。たとえば、建設機械の購入・導入に補助金を利用する際、制度で定められた期間内に支払いを開始・完了しなければなりません。この期間外での購入・導入は、補助金が支払われないリスクがあります。
また、補助金を使って購入・導入した建設機械は、短期間での売却や除却が禁止されています。
2.採択されないおそれがある
時間や手間をかけて申請しても、必ずしも補助金を受け取れるわけではありません。たとえば、「ものづくり補助金」の場合、採択率は約50%です。多大な労力をかけて申請しても、審査に落ちた場合は1円も受け取れません。
しかし、多くの補助金制度では、一度審査に落ちても再挑戦が可能です。事業計画書を改善することで、次回の審査に通過できる可能性があります。
3.申請に手間がかかる
補助金の申請には、多くの手間や時間がかかります。補助金の厳しい審査に通過するためには、詳細な事業計画書を作成しなければなりません。
事業計画書の作成に100時間以上かける事業者も少なくありません。さらに、審査に通過した後も、補助金の支給を受けるために実績報告書を提出する必要があります。
助成金や補助金を申請する8つのステップ

建設機械の購入・導入で補助金を受け取る手順は以下の通りです。
- 自社の取り組みに合う補助金制度を探す
- 募集要領を確認する
- 必要に応じて専門家へのサポートを依頼する
- 申請書を作成する
- 金融機関へ相談する
- 補助金を申請する
- 補助事業に取り組む
- 補助事業の成果を実績報告する
補助金を探す際には、中小企業基盤整備機構が運営するポータルサイト「J-Net21」の「支援情報ヘッドライン」を利用すると便利です。このサイトでは、補助金・助成金制度だけでなく、セミナーやイベント情報も簡単に検索できます。
また、申請を始める前に、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家は、自社に適した補助金を見つける手助けや、申請書類の作成サポートをしてくれる点がメリットです。とくに初めて申請する場合は専門家のサポートを受けることで、申請期限を守り、スムーズに申請手続きを完了させることが可能になります。
補助金の審査を通過するためのポイント

補助金の審査を通過するためのポイントには、以下の3つが挙げられます。
- 強みをアピールする
- わかりやすい計画書をつくる
- 専門家に相談する
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.強みをアピールする
事業計画書で重要なのは、自社の強みをしっかりとアピールすることです。競合他社に比べて劣っていると感じることもあるかもしれませんが、どの企業にも独自の強みがあります。それを見つけて、効果的にPRすることが大切です。
お客様や外部コンサルタントなどの第三者の視点を取り入れることで、新たな強みを発見する手助けになります。
2.わかりやすい計画書をつくる
補助金の種類によりますが、ものづくり補助金では約10ページ、事業再構築補助金では約15ページの事業計画書が必要です。
内容を充実させるために文字や専門用語が多くなりがちですが、審査員が理解しやすいように図や写真、グラフを活用し、視覚的にわかりやすい計画書を作成することが重要です。審査員にとって見やすく、理解しやすい計画書は評価を高めます。
3.専門家に相談する
補助金申請を成功させるためには、専門家のサポートを受けることが非常に有効です。必要書類に不備があると審査の対象外になってしまいます。補助金には締め切りが設定されており、時間的な余裕も限られてしまうでしょう。
事業者自身が申請を行うのが難しい場合は、中小企業診断士などの専門コンサルタントに相談することをおすすめします。専門家のサポートにより、スムーズに申請手続きを進められます。
まとめ

2024年最新の建設機械の購入に使える助成金について、活用するメリットや申請のステップ、審査通過のポイントについて解説しました。
助成金は採択されれば1,000万円前後の需給が受けられ、経営状況の見直しや信用力の向上が見込めるなどメリットも多くある反面、制約があり、採択されないおそれや申請に手間がかかる点がデメリットです。
申請は複雑で時間がかかるため、専門家に依頼することも検討してみてください。